設計と開発の違い、分かりますか? 〜トラブルを防ぐ“確認のタイミング”とは〜

はじめに:そのまま開発に入ってませんか?

要件定義が終わったら、いよいよ開発スタート!……と思っていませんか?
でもちょっと待ってください。

実はその前に、とても重要なステップがあります。
それが「設計」です。

設計を飛ばして開発を進めてしまうと、
「思っていたものと違う…」
「操作しにくい…」
「やり直しが発生してコストが増えた…」

そんな事態になりかねません。

今回は、設計と開発(実装)の違いを明確にしながら、経営者がどこで関与すべきかを解説していきます。


設計とは?「どう作るか」を決める工程

要件定義で「何を作るか」が決まったら、次は「どうやって作るか?」を設計で決めていきます。

ここでは主に以下のようなことを整理します。

  • 各画面のレイアウト(ワイヤーフレーム)

  • ボタンの配置や入力項目

  • データの流れや連携の仕組み

  • 各機能の動作ルール

たとえば「顧客管理システムを作る」としても、
「どんな画面構成で、どこから検索できて、どうやって編集するのか」など、具体的な体験を想定して設計します。


設計が甘いと、なぜ失敗する?

ケース①:完成した画面が「想像と違う」

設計段階でワイヤーフレームや画面サンプルを確認せずに進めると、「なんか違う…」というズレが発生しやすくなります。

このズレを放置して開発が進むと、修正に大きな工数がかかることに。
※画面設計のやり直しは、開発者にとっても重たい作業です。


ケース②:「不要な機能」が混ざってコスト増

設計フェーズで提案された機能を深く考えずにそのまま承認してしまうと、実際には使わない機能まで作ることになってしまいます。

「かっこよくて便利そうだけど、うちの業務では使わない…」
そうした機能が混ざると、無駄な開発コストが発生します。


ケース③:ユーザーが“使いづらい”と感じる

どんなに機能が充実していても、使いづらいシステムは現場に浸透しません。
「UI(見た目)」と「UX(使い勝手)」を無視した設計では、せっかく作ったシステムが“使われない箱”になってしまうのです。


経営者が「設計」で見るべき3つのポイント


1. ワイヤーフレームは直感的に使えそうか?

  • 現場スタッフが迷わず操作できそうか

  • 無駄なクリックや複雑な手順がないか

  • モバイル対応など必要な環境に合っているか

設計図を見るときは「自分が初めて使うユーザー」のつもりでチェックするのがポイントです。


2. 目的からブレていないか?

設計を見て「何となく機能が増えている」と感じたら、目的に立ち返って再確認しましょう。

「この機能は、最初に話していた課題解決につながるか?」
「なくても目的が達成できるなら、削れないか?」

を冷静に判断することで、コスト削減にもつながります。


3. 社内の運用フローにフィットしているか?

  • 複数人で使う場合、作業の重複は起きないか?

  • 入力やチェックの手順が現場の動きと合っているか?

  • 使う部署・使う人にとって負担にならないか?

このような視点は、現場を知る経営者だからこそ持てる重要な観点です。


開発(実装)とは?設計通りに“形にする”工程

設計が固まったら、いよいよプログラミングを行って、システムを形にしていきます。
ここからが「開発(実装)」フェーズです。


「少しの修正」でも意外と時間がかかる理由

発注側からすると、「ボタンの位置を変えるだけ」「入力項目を1つ増やすだけ」といった修正は簡単に見えるかもしれません。

ですが、実際は…

  • プログラムの修正

  • 全体の動作チェック

  • テストのやり直し

  • 影響範囲の再確認

…と、見えない作業がたくさん発生します。

そのため、開発フェーズに入ってからの変更は慎重に判断する必要があります。


開発者との信頼関係を築くヒント

  • 設計段階で疑問があれば遠慮せずに質問する

  • 「何となく違和感がある」ことも早めに伝える

  • 社内で確認が必要なときはスケジュールを共有する

発注者と開発者は“片側だけで進める関係”ではありません。
対等なパートナーとして、お互いに確認し合う姿勢が良いシステムを生み出します。


次回予告:テスト工程を軽く見ると危険!

次回は、意外と軽視されがちな「テスト工程」について。

  • テストって何をするの?

  • なぜ時間がかかるの?

  • バグはどうやって見つける?

  • 発注者は何を意識すべき?

システムの品質を左右するテストの重要性について、わかりやすくお伝えします!


Series Navigation<< 要件定義の失敗が後悔を生む理由とは? 〜発注前に絶対に押さえておきたい、最初の“落とし穴”〜

CONTACT

 

お問い合わせ

 

\まずは15分だけでもお気軽にご相談ください!/

    コメント

    この記事へのコメントはありません。

    関連記事