Next.jsのホスティング選び方:Vercel/AWSなどをコストと運用負荷で比較する方法

Next.jsのホスティングで「最初に決めるべきこと」

Next.jsのホスティングは、技術的な細部よりも「あなたの会社の運用の仕方」に合わせて選ぶのが成功の近道です。なぜなら、同じNext.jsでも、アクセス規模・更新頻度・セキュリティ要件・社内の運用体制によって、最適な置き場所(ホスティング先)が変わるからです。

まず、Next.jsの代表的な動き方をざっくり押さえると、ホスティングの選択肢が整理できます。

  • 静的配信(Static):更新が少ないページ中心。ビルドしてHTMLとして配る。運用が軽い
  • サーバーで動的生成(SSR):ログイン後の画面、ユーザーごとに内容が変わるページなど。サーバー側の実行環境が必要
  • API/バッチ処理:お問い合わせ送信、会員データ処理、定期集計など。別途バックエンドが必要なことも

Next.jsは便利な反面、「静的だけで完結すると思っていたら、実はSSRが必要で費用と運用が増えた」というケースが起きがちです。社内の情シスやベンダーと会話するときは、次の質問に答えられる状態にしておくと、見積もりや設計がブレにくくなります。

ホスティング選定のための確認リスト

  • ログイン機能やマイページはあるか(SSRや認証が必要になりやすい)
  • 更新頻度はどの程度か(毎日更新か、月1更新か)
  • アクセスの山はあるか(キャンペーン、テレビ放映、決算発表など)
  • 個人情報を扱うか(問い合わせフォームだけでも要件が上がる場合あり)
  • 社内に運用できる人はいるか(夜間対応、障害切り分け、監視)

結論として、Next.jsのホスティング選びは「最安」よりも、トータルコスト(費用+運用の手間+リスク)で比べるべきです。次章から、Vercel/AWSなど主要候補を、非エンジニアの方でも判断できる軸で比較していきます。

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比較の軸は「コスト」と「運用負荷」と「リスク」

Next.jsのホスティング比較で重要なのは、月額料金だけを見ないことです。実務では、障害対応やセキュリティ対応、見えにくい追加費用が効いてきます。ここでは判断をシンプルにするために、3つの軸で整理します。

コスト(見える費用+見えにくい費用)

見える費用は「ホスティング料金」「ドメイン」「SSL」などです。一方で見えにくい費用として、トラフィック増に伴う従量課金、ログ保管、監視、CI/CD、保守委託費が増えやすいです。たとえばAWSは使い方次第で安くできますが、その“使い方”を設計・運用する人件費が必要になりがちです。

運用負荷(誰が、どこまで面倒を見るか)

運用負荷は「障害時に何をする必要があるか」「誰が対応するか」で決まります。Vercelのようなマネージドな環境は、設定や運用が軽く、更新作業も簡単です。反対にAWSは自由度が高い反面、監視・アラート・WAF・バックアップ・権限管理など“自社で決めること”が増えます。

リスク(止まる・遅くなる・漏れる・改修できない)

企業サイトやプロダクトサイトでは「止まる」「遅い」が売上や信用に直結します。また、フォームや会員機能があれば「漏れる」のリスクも無視できません。さらに見落とされがちなのが「改修できない」リスクです。最初に複雑な構成にしてしまうと、担当者が変わったときに運用不能になります。属人化しない設計と、運用手順が残せる構成が重要です。

この3軸で見ると、Next.jsのホスティングの選択肢は大きく次の3タイプに分かれます。

  • 運用を最小化したい:Vercelなど(Next.js特化)
  • バランス型:Cloudflare/Netlify/Amplifyなど(用途次第で強い)
  • 統制と自由度を重視:AWSなど(既存の企業基盤に載せたい)

次章では、それぞれの候補がどんな会社・案件に向いているかを、具体的に比較します。

Vercel・AWS・その他を「向いている会社」で比較する

Next.jsのホスティングでよく比較されるのはVercelとAWSですが、要件によっては他の選択肢も有力です。ここでは「何ができるか」よりも、どんな運用体制の会社に向くかを中心に整理します。

Vercel:Next.jsを最短で安全に運用したい会社向け

VercelはNext.jsの開発元に近いエコシステムで、デプロイやプレビュー、CDN配信、サーバーレス実行などが一体化しています。非エンジニアの方にとっての価値は、「運用の意思決定が少なくて済む」点です。

  • 向いている:マーケティングサイト、採用サイト、プロダクトLP、更新頻度が高いWeb、少人数で回すチーム
  • 強み:Git連携での自動デプロイ、プレビューでの確認、Next.js機能との相性、導入が速い
  • 注意点:プランや機能により料金が増えやすい、企業の統制(特定のクラウド固定)要件に合わない場合がある

「まず立ち上げて、成果を見ながら改善したい」タイプの案件では、Vercelは非常に合理的です。逆に、全社標準がAWSで固まっている企業や、厳格なネットワーク分離が必要なケースでは、調整コストが発生します。

AWS:統制・拡張性・既存基盤との統合を重視する会社向け

AWSは選べる構成が幅広く、Next.jsのホスティングも複数の実現方法があります。たとえば静的サイト寄りならS3+CloudFront、SSRが必要ならLambdaやコンテナ、あるいは専用の構成など、要件に合わせて設計します。メリットは、社内ガバナンス(監査・権限・ネットワーク)に合わせやすいことです。

  • 向いている:情シス主導でクラウド統制がある企業、他システム(認証基盤/データ基盤)と密に連携するWeb
  • 強み:セキュリティ統制、権限管理、ログ監査、他AWSサービス連携、長期運用の安心感
  • 注意点:設計・運用の難易度が上がりやすい、最小構成でも“決めること”が多い

AWSは「作って終わり」ではなく「運用して育てる」前提の選択です。社内に運用責任を持つ体制があるか、外部の保守パートナーを付けるかをセットで考えると失敗しにくくなります。

Cloudflare/Netlify/Amplifyなど:条件が合うと強い“中間選択肢”

VercelとAWSの間には、いわゆる中間の選択肢があります。どれも一長一短ですが、要件が噛み合うとコスト・速度・運用負荷のバランスが良くなります。

  • Cloudflare:エッジ配信が強く、グローバルに速い。運用は比較的軽いが、設計思想に慣れが必要
  • Netlify:静的寄りの運用が得意。フォームや簡易機能も組み込みやすい
  • AWS Amplify:AWSに寄せつつ、フロントのデプロイ運用を簡単にしたいときに候補

「社内標準はAWSだが、Next.jsのデプロイ運用は軽くしたい」といった現場の悩みには、Amplifyがハマることもあります。一方で、SSRや認証・APIの要件が複雑になるほど、結局は設計力が必要になります。

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ざっくり費用感:どこで“想定外の請求”が増えるのか

Next.jsのホスティング費用は、月額の基本料金だけでは判断できません。特に「最初は安かったのに、運用が始まると高くなった」というのは、以下の増加ポイントを見落としたときに起こります。ここでは、非エンジニアの方が押さえるべき“増え方”を中心に説明します。

従量課金が増える典型パターン

  • アクセス急増:CDN転送量、リクエスト回数が跳ねる(キャンペーン、SNS拡散、メディア掲載)
  • 画像や動画が重い:最適化が不十分だと転送量が増えやすい
  • SSRが多い:ページ表示のたびにサーバー実行が発生し、実行回数・実行時間が積み上がる
  • ログ・監視を充実:ログ保管や監視ツールの費用が地味に効いてくる

経営者・情シスの立場で重要なのは、「何が増えると、何の請求が増えるか」を把握し、上限やアラートを設けることです。“予算オーバーが起きにくい仕組み”を設計に含めるだけで、運用ストレスは大きく下がります。

Vercelで増えやすいポイント

Vercelは導入が速い反面、チーム運用や高機能を求めるとプランが上がりやすく、機能単位の課金が発生する場合があります。また、プレビュー環境が便利な一方で、運用ルールがないと環境が増えすぎて管理が曖昧になりがちです。対策としては、「本番・検証・開発の境界」と「権限」を最初に決めることが有効です。

AWSで増えやすいポイント

AWSは構成要素が多く、気づかないところで費用が積み上がることがあります。代表例は、ログの長期保管、NAT Gatewayやデータ転送、監視のメトリクス、バックアップなどです。さらに、費用そのものよりも大きいのが運用工数で、障害時の切り分けやセキュリティ更新、権限棚卸しが継続的に必要になります。

意思決定に使える“簡易見積もり”の考え方

厳密な見積もりはエンジニアが必要ですが、導入前の比較なら、次の3点だけでも確認すると精度が上がります。

  1. 静的が中心か、SSRが中心か:SSR比率が上がるほど運用と費用が増えやすい
  2. 月間PVとピーク:平均ではなく“最大”に引っ張られる請求がある
  3. 運用の内製/外注:クラウド費より保守費のほうが支配的になることが多い

この段階で「うちはどれに近い?」を整理しておくと、ベンダーから複数案(Vercel案、AWS案など)を出してもらったときに比較がしやすくなります。

運用負荷を左右するポイント:障害対応・セキュリティ・更新フロー

Next.jsのホスティングは、リリース後に差が出ます。特に情シスや管理側にとって重要なのは「誰が、何を、どの頻度でやる必要があるか」です。ここでは運用負荷を決める実務ポイントを整理します。

監視と障害対応:通知が来ても“動けない”を防ぐ

監視は入れて終わりではなく、通知を受けたときに対応できる体制が必要です。たとえば、夜間に落ちたときに誰が一次対応するのか、復旧手順はあるのか、連絡網は整っているのか。「アラートが鳴る」より「復旧できる」ことが価値です。

  • よくある障害:証明書更新漏れ、環境変数ミス、API障害、外部サービス障害、デプロイ失敗
  • 最低限決めたいこと:一次対応担当、復旧判断、ロールバック手順、障害報告のテンプレ

セキュリティ:フォームだけでも“守る範囲”は広い

「個人情報はほぼ扱わない」サイトでも、問い合わせフォームがあるだけで守るべき範囲は広がります。送信データの保護、スパム対策、脆弱性対応、ログの取り扱いなどです。AWSではWAFやIAMなどで細かく制御できますが設計が必要です。Vercelなどでも対策は可能ですが、企業のルール(ログ保管期間、IP制限、監査)に合わせるための整理が必要になる場合があります。

更新フロー:担当者が変わっても回る仕組みにする

Next.jsはGitでの運用が基本になりやすく、非エンジニアにとっては「更新の流れ」が見えづらいことがあります。そこで、運用負荷を下げるには、次のどちらか(または併用)が現実的です。

  • CMSを使う:お知らせや事例、ブログなどを画面から更新できる。承認フローも組みやすい
  • 更新を外注する:変更依頼→確認→公開の手順をテンプレ化し、社内は判断に集中する

「Next.jsのホスティング」だけ決めても、更新フローが決まっていないと運用が詰まります。ホスティング選定と同時に、更新の責任分界(誰がどこまで)を決めておくと安心です。

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選び方の結論:失敗しないための判断フロー(非エンジニア向け)

ここまでの比較を踏まえ、非エンジニアでも使える判断フローに落とし込みます。Next.jsのホスティングは、正解が1つではありません。大事なのは「あなたの会社の運用とリスク許容度」に合わせて、説明できる選定理由を作ることです。

判断フロー

  1. サイトの性質を分類する:静的中心か、SSR中心か、会員機能や管理画面があるか
  2. 運用体制を確認する:社内で監視・障害対応ができるか、外部保守を前提にするか
  3. 統制要件を確認する:AWS固定、監査ログ、IP制限、権限管理、委託先制限など
  4. コストの“増え方”を見積もる:PV、ピーク、SSR比率、ログ保管、監視の範囲
  5. 候補を2案に絞りPoCする:小さく試して、デプロイ・更新・速度・運用の感触を見る

よくある結論パターン

  • スピード最優先で早く公開したい:Vercel中心で設計(必要に応じてバックエンドは別管理)
  • 全社ガバナンスに合わせたい:AWSで統制を効かせた構成(運用は内製か保守委託)
  • 静的中心で更新も多くない:CDN+静的配信を軸にして、運用と費用を抑える

ここで重要なのは、「現時点で100点の設計」を目指しすぎないことです。Next.jsは改善サイクルが回しやすいので、最初は運用が回る形で始め、計測しながら最適化するのが現実的です。

ベンダーに見積もりを依頼するときの質問テンプレ

  • Next.jsの実行形態(静的/SSR/ISRなど)はどう設計する想定ですか?
  • 月間PVとピーク時の想定で、費用が増えるポイントはどこですか?
  • 障害時の切り分けと復旧は誰がどこまで担当しますか?(SLA/対応時間)
  • セキュリティ対策(WAF、権限、ログ、脆弱性対応)の範囲はどこまでですか?
  • 更新フロー(CMS/承認/プレビュー/ロールバック)はどうなりますか?

まとめ

Next.jsのホスティング選びは、クラウド名の比較というより、コスト・運用負荷・リスクのバランスをどう取るかの意思決定です。Vercelは導入と運用が軽く、スピード重視のWebに向きます。AWSは統制・拡張性・既存基盤との統合に強く、長期運用や社内ガバナンスを重視する企業に向きます。CloudflareやNetlify、Amplifyなどの中間選択肢も、条件が合えば有力です。

失敗を避けるコツは、月額料金だけで決めずに、「誰が運用するか」「SSRがどれだけ必要か」「費用が増える条件は何か」を先に言語化することです。迷う場合は、候補を2つに絞って小さく試し、更新・障害対応・セキュリティの運用感まで確認すると、意思決定が一気に現実的になります。

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