- 中小企業がシステム導入で得られる3つの成果──業務効率・顧客満足・競争力を高める方法
- システム開発の種類とは?目的別にわかる導入パターン
- システム開発は外注?内製?判断と進め方を解説
- システム開発はなぜ必要か?中小企業における導入メリットと活用戦略
- 失敗しない開発会社の選び方とは?中小企業が安心して任せるためのチェックポイント
システム開発を外注するとき、「どの会社に頼むか」は結果を大きく左右します。予算内で希望どおりのシステムを実現できるかどうかは、開発会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。この記事では、システムに詳しくない中小企業の経営者の方でも安心して発注できるよう、開発会社を選ぶための視点や進め方を、実践的かつ親しみやすい言葉で解説します。
Contents
なぜ開発会社選びがそんなに重要なのか?
「安かったから」「知り合いに紹介されたから」といった理由で選ぶと、開発途中や納品後に「こんなはずじゃなかった」という事態になりかねません。よくある失敗例として、次のようなケースが挙げられます:
- 要望をうまく伝えられず、仕上がったシステムが使いづらい
- 納期が何度も遅れ、業務スケジュールに影響
- 納品後に不具合が多発するも、対応が遅くて困る
これらの多くは「誰に頼んだか」の時点で決まっていたとも言えます。開発会社は“請負業者”ではなく、共に目的を達成する“パートナー”と考えるのが成功への第一歩です。
開発会社を選ぶときに見るべきポイント
① 過去の実績と専門性
似た業種・同じ規模感の企業での開発経験がある会社は、課題の理解が早く、提案力も高い傾向があります。たとえば飲食業であれば、予約管理やモバイルオーダーの経験がある開発会社の方が安心です。また、Webアプリ、業務システム、クラウド連携など、自社の目的に合った開発領域が得意かどうかもチェックしましょう。
チェックリスト:
- 公開実績があるか?(ポートフォリオの提示)
- 同業・同規模の開発経験があるか?
- 自社が求める技術領域に強みがあるか?
② コミュニケーション力
「技術力が高くても会話が通じない」ではプロジェクトは進みません。非エンジニアにもわかりやすく説明してくれるか、話をよく聞いてくれるか、といった“対話力”も重要な判断軸です。
チェックリスト:
- 打ち合わせ時の説明が明快か?
- 専門用語をかみくだいてくれるか?
- メールや電話のレスポンスは早いか?
③ 契約内容とコストの透明性
開発費だけでなく、保守費や追加対応費などを含めた「全体像」が分かる見積もりが出てくるかどうかがカギです。また、「どこまでが契約内で、どこからが追加費用か」が明記されているかも要確認です。
チェックリスト:
- 見積もりが詳細で、内訳が明確か?
- 保守・運用サポートの内容と費用が提示されているか?
- 追加仕様変更のルールが明文化されているか?
避けたい開発会社の特徴
以下のような特徴がある会社は注意が必要です:
- 安さだけを強調し、提案の中身が薄い
- 質問に対して曖昧な回答が多い
- 技術担当者が表に出てこず、営業対応のみ
- 契約書や仕様書の提示が遅い、または出してくれない
良い関係を築くには「丸投げしない姿勢」が大事
開発会社にすべて任せればうまくいく、という考えは危険です。成果を出すには、発注側も“伴走する意識”が欠かせません。
たとえば以下のような関わり方が効果的です:
- 要件を明文化する(難しければ箇条書きや図解でもOK)
- 定期的な進捗確認ミーティングを設ける
- 操作感や画面レイアウトに対するフィードバックをこまめに行う
開発中に変更や修正が出るのは当たり前。その際にすぐ相談できるよう、Slackやチャット、ドキュメント共有ツール(Googleドライブ、Notion等)を整えておくと安心です。
納品後こそが本番:テスト・保守・改善の重要性
完成したシステムをそのまま運用開始するのではなく、まずはテストを十分に行いましょう。実際の業務を模した「シナリオテスト」や「操作テスト」を社内で実施し、不具合や操作上の違和感を事前に洗い出すことが重要です。
また、運用開始後に出てくる細かな改善要望やバグ対応に、どれだけ柔軟に応じてもらえるかも会社選びのポイントです。
導入前に、自社で準備しておくべきこと
- 今の業務で困っていることを洗い出す
- 解決したい課題と優先順位を明確にする
- 使っている既存ツールやデータを整理しておく
これらを事前に行うことで、開発会社との打ち合わせもスムーズになり、見積もりの精度も上がります。特に、業務フローや画面イメージを図解して共有できると、認識ズレが少なくなります。
まとめと次回予告
開発会社を選ぶ際は、「実績・対話・契約透明性」という3つの柱で判断しましょう。そして、依頼後も“丸投げ”ではなく、自社からも積極的に関わることが、プロジェクト成功のカギとなります。
次回(第5回)では、「実際にシステム開発を導入することで得られるメリット」について、具体的な効果と事例を交えてご紹介します。
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