APIとは?非エンジニアでも分かる仕組みとできることを業務目線で解説

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APIとは何か?「システム同士のやり取り窓口」として捉える

APIとは、ひと言でいうと「ソフトウェアやシステム同士が、決められたルールで情報をやり取りするための窓口」です。非エンジニアの方でも、日常業務に置き換えると理解しやすくなります。

たとえば、社内で「営業部から経理へ請求データを渡す」場合、Excelをメール添付したり、共有フォルダに置いたりしますよね。これをシステムの世界で行うとき、人間のメールの代わりに「API」が窓口になり、営業システムが経理システムへ必要なデータを渡します。逆方向(経理→営業)も同様です。

APIがあると、「Aのシステムで入力した情報を、Bのシステムで再入力する」といった二重作業が減ります。さらに、やり取りのルールが決まっているため、担当者が変わっても「この形式で渡せば動く」という状態を作れます。

よくある誤解として「API=難しい開発者向け機能」という印象がありますが、実際にはAPIは裏側の仕組みで、ユーザーが直接触らない場面がほとんどです。たとえば、ECサイトで住所を入力したら郵便番号から自動補完される、地図が表示される、決済が通る、といった動きの裏でAPIが動いています。非エンジニアが押さえるべきポイントは「APIの細かい書き方」ではなく、APIによって業務やサービスがどうつながるかです。

この記事では、APIの仕組みを噛み砕いて説明しつつ、情シスや管理部門、現場部門の方が「APIで何ができるのか」「どこで失敗しやすいのか」「導入時に何を確認すべきか」を実務目線で整理します。

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APIの仕組み:リクエストとレスポンス(注文と受け取り)

APIの基本動作はとてもシンプルで、「お願い(リクエスト)を送る」→「結果(レスポンス)が返ってくる」の繰り返しです。飲食店で「このメニューをください」と注文して、料理が出てくる流れに似ています。

例として「顧客IDから顧客情報を取得したい」場合を考えます。営業支援ツール(SFA)やCRMが、顧客IDを指定して「この顧客の会社名・担当者・連絡先を返して」とAPIにお願いすると、APIがデータベースや別システムへ問い合わせ、結果を返します。返ってくる内容は、たとえばJSONのような形式で「会社名」「住所」「電話番号」などがセットで返されます。

ここで非エンジニアが押さえるべき観点は、次の3つです。

  • どの情報を渡すと(入力)、何が返ってくるか(出力)が定義されている
  • やり取りには認証(誰が使ってよいか)が必要なことが多い
  • 失敗時(エラー時)の返し方も決まっているため、運用設計が重要

APIの話題で「REST API」「GraphQL」「Webhook」などの言葉を耳にすることがあります。細部はエンジニアに任せればよいですが、違いのイメージだけ持つと会話がスムーズです。

  • REST API:最も一般的。URLで「何をしたいか」を表し、必要情報を渡して結果を受け取る
  • Webhook:「何かが起きたら通知する」。例:注文が入ったらチャットに通知、入金があったら会計へ連携
  • GraphQL:「必要な項目だけ欲しい」を柔軟に指定できる。大規模・複雑なデータで効果が出やすい

また、API連携には「リアルタイム」と「バッチ(定期実行)」があります。リアルタイムは即時性が高い一方で、失敗時のリトライや監視が重要になります。バッチは運用が比較的安定しますが、反映の遅れが許容できる業務か見極めが必要です。どちらが正解というより、業務の要求(即時性・正確性・負荷)で選ぶものです。

APIでできること:業務効率化・新規サービス・データ活用の3方向

APIの価値は「システムをつなぐ」こと自体ではなく、つないだ結果として業務が速く・正確に・拡張しやすくなる点にあります。代表的な効果を3方向で整理します。

業務効率化(人の手作業を減らす)

最も分かりやすいのが、転記や照合などの手作業を減らす用途です。たとえば、以下はAPI連携の定番です。

  • 問い合わせフォーム → CRMへ自動登録 → 担当者へ通知
  • 受注(EC/受注管理)→ 在庫管理 → 発送システム → 顧客へ追跡番号通知
  • 勤怠 → 給与計算 → 会計へ仕訳連携
  • 請求書発行 → 入金消込 → 未収一覧を自動更新

ポイントは、単に「入力を自動化する」だけでなく、次工程の判断材料(ステータス・期限・例外)まで渡して、手戻りを減らすことです。ここまで踏み込むと、現場の体感効果が大きくなります。

新規サービス(外部機能を組み込む)

自社でゼロから作ると高コストな機能も、外部APIを利用すると短期間で実装できます。例としては、地図表示、住所補完、SMS送信、本人確認(eKYC)、決済、翻訳、音声認識などです。「自社の強みは何か」を見極め、強み以外はAPIで借りると開発投資が合理化されます。

データ活用(散らばったデータを使える形にする)

中小企業でも、SFA/CRM、会計、EC、広告、サポートなどツールが増えるほどデータが分断されます。APIでデータを集約・整形できると、KPIの可視化や意思決定が速くなります。たとえば「商談進捗×広告費×粗利」を同じダッシュボードで見られるだけで、施策の打ち手が変わります。

ただしデータ活用は、「データの定義(顧客ID、取引ID、粒度)」を揃えることが前提です。API連携の前に、マスタ設計やデータ統合方針を簡単にでも決めておくと、後々の手戻りが減ります。

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代表的なAPI連携の例:中小企業〜情シスでよくある業務シーン

ここでは「予算はあるが詳しくない」情シス・管理部門の方がイメージしやすいよう、よくある業務シーンに落とします。APIという言葉が出ていなくても、実は「APIで実現できる課題」が潜んでいることが多いです。

営業・マーケ:リード獲得から追客までを途切れさせない

フォームで獲得した見込み客情報が、メールボックスやスプレッドシートで止まってしまうと、対応漏れ・初動遅れが起きます。API連携で、フォーム→MA/CRM登録→担当割り当て→Slack/Teams通知→架電タスク作成までつなぐと、「誰がいつまでに何をするか」が自動で可視化されます。

受発注・物流:在庫と出荷の整合性を保つ

EC、受注管理、倉庫、配送会社がバラバラだと「在庫はあるのに欠品」「出荷済みなのに未反映」「追跡番号の送付漏れ」が起きがちです。APIで受注・在庫・出荷ステータスを同期すると、例外対応(欠品・住所不備)に人が集中でき、通常業務は流れ作業になります。

経理:請求・入金・仕訳の自動化で締めを早くする

請求書発行、入金確認、消込、会計仕訳までの流れは、API連携の効果が出やすい領域です。銀行明細取り込みや請求書システムと会計の連携により、月次締めのボトルネックが「入力」から「判断」へ移るため、ミスが減りやすいのが特徴です。

情シス:アカウント管理と権限の統制

入社・異動・退職のたびに、複数SaaSのアカウント作成や権限変更を手作業で行うと、漏れが起きます。APIやID管理(SSO/SCIM等)を使うと、基幹の人事データを起点にプロビジョニング(作成/停止)を自動化できます。これはセキュリティ面でも効果が大きく、「退職者アカウントが残る」リスクを下げるのに直結します。

これらは「全部を一気に統合」しなくても、最初は効果の出やすい一連の流れ(例:フォーム→CRM→通知)だけをつなぎ、運用が回ったら範囲を広げるのが現実的です。APIは段階導入と相性が良く、投資対効果を見ながら進められます。

導入の進め方:非エンジニアが押さえるべき確認事項(要件・費用・リスク)

API導入を成功させるには、開発前の確認で7割決まります。非エンジニアの立場でも、次の観点を押さえておくと、ベンダーとの会話が具体的になり、見積もりのブレや手戻りが減ります。

業務要件:何を自動化し、例外はどう扱うか

まず「どの工程を自動化するか」を、画面操作レベルで書き出します。その上で重要なのが例外処理です。たとえば「住所が不正」「在庫不足」「二重登録」「支払い失敗」など、現場が普段どう処理しているかを整理します。API連携は通常ケースだけつなぐと途中で止まり、結局手作業が増えることがあります。

データ要件:IDの統一と項目定義

連携では「同じ顧客を同じ顧客として扱えるか」が肝です。顧客ID、注文番号、社員番号など、突合キーを決めることが必須です。また「売上」の定義(税抜/税込、計上タイミング)など、用語の意味も揃えないと、ダッシュボードが信用されなくなります。

技術要件:利用するAPIの制約(上限・速度・仕様)

外部SaaSのAPIには、呼び出し回数の上限(レート制限)や、同時実行の制限、取得できる項目の範囲があることが一般的です。リアルタイムに見えても、実際は数分遅延することもあります。「できる前提」で設計せず、「制約込み」で運用を設計するのがポイントです。

セキュリティ・権限:誰が何にアクセスできるか

APIは「システムの裏口」になり得るため、認証情報(APIキー、トークン)の扱いが重要です。鍵を個人PCに置かない、権限を最小化する、ログを残す、漏えい時に無効化できる、といった基本を押さえます。情シスとしては監査に耐える運用(アクセスログ、権限申請フロー)まで設計できると安心です。

費用の見方:初期開発だけでなく運用コストを見る

API連携の費用は「作って終わり」ではありません。運用で発生しやすいのは、仕様変更対応、エラー監視、データ不整合の調査です。見積もり時点で、監視・通知・保守の範囲を明確化し、月次の運用負荷(誰が何分見るのか)まで含めて判断すると、導入後の不満が減ります。

なお、要件を詰める際は「現場が得する指標」を置くと合意形成が楽になります。例:入力工数を月何時間削減、対応漏れを何件減らす、締め日を何日短縮、など。APIは手段なので、成果指標を先に決めることが重要です。

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よくある失敗と回避策:API連携が「つながったのに使えない」を防ぐ

API連携は、動いた瞬間がゴールに見えますが、実際の失敗は運用開始後に起きがちです。ここでは典型パターンと回避策をまとめます。

失敗:例外時に止まり、結局手作業が増える

「データが欠けている」「外部サービスが一時障害」「重複が発生」などで連携が止まると、担当者が気付かず処理漏れが発生します。回避策は、エラー通知と再実行(リトライ)設計を最初から入れることです。Slack/Teams通知、管理画面での再送、失敗データの隔離(キュー)などを準備します。

失敗:データの意味が揃わず、数字が信用されない

システムAの「受注」とシステムBの「受注」が別概念だと、連携しても現場が混乱します。回避策は、用語集とデータ定義を簡易でも作ることです。「どの時点で受注とするか」「キャンセルはどう扱うか」を合意してからつなぐと、後から直すコストが減ります。

失敗:ベンダーロックインや属人化が進む

特定担当者だけが分かる連携だと、担当交代で止まります。回避策は、設計書やAPI仕様、認証情報の管理方法、運用手順をドキュメント化して引き継げる状態にすることです。さらに、可能なら連携処理をモジュール化し、変更時の影響範囲を小さくします。

失敗:セキュリティが後回しになり、監査で止まる

「とりあえず繋いだ」後で、権限設計やログがなく監査・ISMS・取引先審査で指摘されるケースがあります。回避策は、最初から権限・ログ・鍵管理を要件に含めること。加えて、個人情報を扱う場合は、保存期間や暗号化、マスキングなども検討します。

これらの失敗は、エンジニアの技術力だけでなく「業務と運用をどう設計したか」で決まります。非エンジニア側が業務の例外や判断を言語化できると、API連携は一気に成功確率が上がります。

まとめ

APIとは、システム同士が決められたルールで情報をやり取りするための窓口であり、非エンジニアの方にとっては「ツールとツールをつないで業務を流すための仕組み」と捉えるのが実務的です。

  • APIの基本は「リクエスト→レスポンス」。リアルタイムかバッチかも業務要件で選ぶ
  • できることは、業務効率化(転記削減)、外部機能の組み込み(決済・地図等)、データ活用(分断データの統合)
  • 成功の鍵は、例外処理・データ定義・認証/権限・監視/運用まで含めた設計

「API連携をしたいが、何から決めればいいか分からない」「既存のSaaSが多くて整理できない」といった場合は、現状業務の棚卸しと、効果の出やすい連携範囲の切り出しから始めるのがおすすめです。小さく繋いで、運用しながら広げることで投資対効果を見えやすくできます。

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