クラウド料金が高くなる原因とコスト削減のやり方(最適化チェックリスト)

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クラウド料金が「想定より高い」状態とは?まず押さえるべき前提

クラウドは、必要な分だけ使える便利さの反面、使い方次第で毎月の請求がじわじわ増えやすい特徴があります。特に情シスや管理部門の方が「見積もりでは安かったのに、運用が始まったら高くなった」と感じるのは、クラウドの料金が“契約一発”ではなく、“利用量の積み上げ”で決まるからです。

オンプレミス(自社サーバー)では、サーバーを買ってしまえば電気代などを除きコストは比較的固定です。一方クラウドは、CPU・メモリの大きさ、ディスク(保存容量)、通信量、バックアップ、監視、ログ、データベース、CDN、AIなど、多数の要素が合算されます。しかも多くは従量課金のため、アクセス増・データ増・ログ増がそのまま料金に跳ね返ります。

まず定義しておきたいのは「高い」の基準です。単に金額が大きいかではなく、次のいずれかに該当するとき、改善余地がある可能性が高いです。

  • 事業成長(売上・利用者数)に比べてクラウド費が先に膨らんでいる
  • 環境(本番/開発/検証)が増え、誰も使っていないリソースが残っている
  • 請求の内訳を説明できない(「だいたいサーバー代」になっている)
  • 障害対策やセキュリティの名目で、過剰な構成になっている

クラウドコストの最適化は、値引き交渉よりも“使い方の設計”と“運用ルール”で効くことが多いです。この記事では、専門知識がなくても判断できるように、クラウド料金が高くなる原因を分解し、コスト削減の手順をチェックリスト形式で整理します。

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クラウド料金が高くなる主な原因(よくある落とし穴)

クラウド費用が増えるパターンは、いくつかの“型”があります。原因を特定できれば、対策は比較的シンプルです。ここでは非エンジニアの方でも現場に確認しやすい形で、代表例をまとめます。

リソースの「つけっぱなし」問題(特に開発・検証)

最も多いのが、開発・検証用のサーバーやデータベースが夜間や週末も稼働し続けているケースです。担当者は「止めると動かなくなるのが怖い」「止め方が分からない」などの理由で、結果的に常時稼働が常態化します。業務時間しか使わない環境なら、自動停止・自動起動の仕組みで大きく削減できる可能性があります。

サイズ過大(“念のため大きめ”が積み重なる)

CPUやメモリを大きくしておけば安心、という判断は分かりやすい反面、クラウドでは毎月の固定費(のように見える従量)を押し上げます。特に本番環境で、ピークに備えて常に最大構成で回していると、「普段は使っていない性能」にも支払い続けることになります。実測(監視)で余裕があるなら、段階的に縮小できます。

データ転送料・通信の見落とし(請求が急に跳ねる)

クラウドは“外に出ていく通信”に課金されることが多く、動画・画像配信、API連携、バックアップ転送、ログ転送などが増えると費用が跳ねます。特に「他クラウドや外部SaaSへの送信」「別リージョンへの転送」「社内拠点からのアクセス」が多い場合、気づかないうちに通信課金が膨らみます。内訳で“Data Transfer”や“Egress”が上位なら要注意です。

ストレージとバックアップの肥大化(削除されないデータ)

保存容量は単価が小さいように見えて、ログ、画像、添付ファイル、分析用データ、バックアップ世代が増えると確実に積み上がります。ありがちなのは「保存期間のルールがない」「古いスナップショットが残り続ける」「環境を消したのにディスクやスナップショットだけ残る」です。“残す理由が説明できないデータ”は削減候補です。

マネージドサービスの“便利税”(使い方が雑だと高い)

運用を簡単にするマネージドDB、ログ基盤、分析基盤、キュー、検索、AIなどは、うまく使えば人件費を削減できますが、設定を誤ると高額になりやすい領域です。例えばログを無制限に送る、監視を細かくしすぎる、分析クエリを頻繁に回す、などで費用が増えます。便利さとコストのバランスを“業務価値(必要性)”で判断することが重要です。

コスト削減の全体像:やる順番を間違えない

クラウドのコスト削減は、いきなり「安い構成に変える」よりも、可視化→無駄削減→最適化→割引活用→継続運用の順番で進めると失敗しにくいです。順番を間違えると、障害リスクや社内調整コストが増え、「結局戻した」「怖くて手が止まった」になりがちです。

可視化:請求の内訳を“説明できる状態”にする

まずは「何にいくら払っているか」を把握します。ポイントは合計金額ではなく、上位項目(例:コンピュート、DB、ストレージ、通信、ログ/監視)と、どのプロジェクト・環境が原因かです。クラウドの請求画面やコスト管理機能で、サービス別・タグ別・アカウント別に見ます。タグが無い場合は、“タグ付けのルール作り”が最初の投資になります。

無駄削減:リスクが低く効果が大きい“止血”を先に

次に、止めても影響が小さいところから削ります。代表は「未使用リソース」「開発環境のつけっぱなし」「古いスナップショット」「テスト用の高性能構成」です。ここは業務への影響が少ない割に削減効果が見えやすく、社内の合意形成にも役立ちます。

最適化:性能要件に合わせて“ちょうどよく”する

止血後は、構成を見直して継続的に最適化します。自動スケール(混雑時だけ増やす)、適正サイズ(実測に基づく縮小)、ストレージ階層化(頻繁に使わないデータを安価に保管)などです。ここでは「削りすぎて遅くなる」を避けるため、監視指標(CPU/メモリ/レスポンス/エラー率)とセットで進めます。

割引活用:使い方が固まってから“契約で下げる”

リザーブド、Savings Plans、長期契約、コミットメント割引などは、利用が安定してからの方が効果的です。先に契約を固めると、構成を変えにくくなり最適化の足かせになることがあります。「まず無駄を消し、次に割引で底上げ」が基本です。

継続運用:月次で“戻り”を防ぐ仕組み

最後に、コストは放っておくと戻ります。新機能開発や担当者交代で、タグが崩れたり、ログが増えたり、環境が増えたりするためです。月次のコストレビュー、予算アラート、異常検知、削減タスクの定例化など、運用ルールを作ることで安定します。

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最適化チェックリスト(すぐ確認できる・効果が出やすい順)

ここからは、現場にそのまま投げられるチェックリストです。Yes/Noで確認し、Yesが多いほど削減余地があります。なお、作業は必ず「影響範囲の確認」「戻せる手順(バックアウト)」「実施ログの記録」をセットにしてください。“削減”より“安全に削減する”が重要です。

可視化・管理

  • 請求が「サービス別」「プロジェクト別」「本番/開発別」で見える(タグ・アカウント分離)
  • 担当部署/責任者/コストセンターがリソースに紐づいている
  • 月次の予算(上限)と、アラート通知先(Slack/メール)が設定されている
  • 前月比で急増した項目を追えるレポートがある

未使用・つけっぱなし

  • 開発・検証環境は営業時間外に自動停止する仕組みがある
  • 使っていないVM/コンテナ/ロードバランサが残っていない
  • 環境を削除したのに、ディスク・IP・スナップショットだけ残っていない
  • 検証で作った高性能インスタンスが本番同様に常時稼働していない

サイジング(適正化)

  • CPU/メモリ使用率を見て、過剰なサーバーサイズを縮小したことがある
  • ピークに備えた固定増強ではなく、自動スケールを使っている
  • 本番と開発でスペックが同じになっていない(開発は小さくできることが多い)
  • データベースの性能が必要以上に高いプランになっていない

ストレージ・バックアップ・ログ

  • ログの保存期間(例:30日/90日/1年)が用途別に決まっている
  • 監査目的のログは安価な保管先へ自動アーカイブされている
  • バックアップ世代が無制限になっていない(保持ポリシーがある)
  • 大容量データ(画像/添付/分析データ)にライフサイクル設定がある

通信・配信

  • 社外向け配信(画像/静的ファイル)はCDNを適切に使っている
  • 別リージョン/別クラウドへのデータ転送を必要最小限にしている
  • APIのレスポンスサイズが不必要に大きくない(必要な項目だけ返す)
  • 頻繁なフルデータ同期ではなく差分同期を検討している

割引・購買

  • 安定稼働のベース分に、予約/コミット割引を適用している
  • 毎月の利用変動に応じて、割引の適用範囲を見直している
  • ライセンスやサブスク(監視、バックアップ、セキュリティ)の重複がない

チェックの結果、どこから手をつけるべきか迷ったら、「未使用の削除」「開発環境の停止」「ログ・バックアップの整理」「過剰スペックの縮小」の順が、影響が小さく効果が出やすい傾向です。

実務で進める手順:非エンジニアでも失敗しにくい進め方

クラウドのコスト削減は、技術というよりプロジェクト運営です。特に情シスや管理側が主導する場合、「誰が決めるか」「どこまで変えるか」「止めたら困るものは何か」を整理してから動くと、社内摩擦が減ります。

ステップ:目的とガードレールを決める

最初に「月額を何%下げたいか」「性能は落としてよいか(どの範囲ならOKか)」「セキュリティ要件は維持できるか」を決めます。例えば「月額20%削減、障害リスクを上げない、監査ログは1年保持」など、ガードレールがあると現場が動きやすくなります。

ステップ:コスト内訳から“上位3つ”を特定する

請求の上位3項目(サービスまたはプロジェクト)を特定し、そこだけ深掘りします。全体を一気に直そうとすると情報量が多すぎて止まります。上位3つに集中すれば、短期間で成果が出やすく、次の改善に弾みがつきます。

ステップ:変更は「小さく」「戻せる」単位で実施する

例として、サーバーサイズの変更は「1段階だけ下げる→1週間監視→問題なければもう1段階」というように進めます。ログ保存期間の変更も「まず開発環境だけ短縮」「次に本番の低重要ログから」など段階的に。“一撃で下げる”より“確実に下げ続ける”方が成功率が上がります。

ステップ:効果測定を「請求」と「性能」でセットにする

削減後は、請求額だけでなく、レスポンスやエラー率などの品質も見ます。コストだけを追うと、遅くなって結局増強し、やり直しになることがあります。運用担当がいない場合でも、最低限「主要画面の表示速度」「バッチ処理時間」「障害件数」を観測できる状態にしておくと安心です。

ステップ:運用ルールに落とす(属人化を避ける)

最後に、「新しい環境を作ったらタグ必須」「検証環境は夜間停止」「ログは90日でアーカイブ」など、ルールとして文章化し、設定も自動化します。属人化すると、担当者が変わった瞬間にコストが戻ります。“人が頑張らなくても守れる仕組み”が鍵です。

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よくある誤解と失敗パターン(先に知っておくと回避できる)

コスト削減に取り組む際、意図せず「安物買いの銭失い」になることがあります。よくある誤解を先回りで整理します。

「とにかく小さいサーバーにすれば安い」は危険

サーバーを小さくしすぎると、遅延やタイムアウトが増え、結果として問い合わせ対応や機会損失が増えることがあります。コスト削減は、単なる“削る”ではなく、業務に必要な品質を保ったまま無駄を減らすことです。必ず性能指標とセットで判断します。

「監視・ログを減らせば安い」もやりすぎ注意

ログや監視を削りすぎると、障害時に原因が追えず復旧が遅れます。重要なのは「必要なログ」と「不要なログ」を分けることです。例として、アプリのデバッグログは短期保存でよいが、監査・セキュリティ関連は長期保管が必要、など用途別に設計します。

割引を先に買ってしまい、構成変更できなくなる

長期割引は強力ですが、利用が読めない段階でコミットすると、削減施策の自由度が下がります。まず無駄を取り除き、利用が安定した部分だけを割引対象にする方が安全です。

社内の“責任の所在”が曖昧で、放置される

クラウド費は「みんなのもの」になりやすく、結果として誰も最適化しない状態が生まれます。プロジェクト・部署ごとの責任者、承認フロー、予算上限を決めるだけで、不要リソースの放置が減ります。技術よりガバナンスが効く場面も多いです。

株式会社ソフィエイトのサービス内容

  • システム開発(System Development):スマートフォンアプリ・Webシステム・AIソリューションの受託開発と運用対応
  • コンサルティング(Consulting):業務・ITコンサルからプロンプト設計、導入フロー構築を伴走支援
  • UI/UX・デザイン:アプリ・Webのユーザー体験設計、UI改善により操作性・業務効率を向上
  • 大学発ベンチャーの強み:筑波大学との共同研究実績やAI活用による業務改善プロジェクトに強い

まとめ

クラウド料金が高くなる主因は、つけっぱなし、過剰スペック、通信・ストレージ・ログの増加、便利なマネージドサービスの使い過ぎなど、“積み上がる課金”を管理できていないことにあります。対策は、可視化して上位から手を打つ、無駄を先に止血する、性能要件に合わせて最適化する、割引は最後に適用する、という順番が効果的です。

まずはチェックリストで現状を棚卸しし、「未使用削除」「開発環境の停止」「ログ/バックアップの整理」「適正サイズ化」から着手すると、比較的安全に成果が出やすくなります。継続的にコストを抑えるには、タグ付け・予算アラート・月次レビューなどの運用ルールを仕組みに落とし込み、担当者が変わっても回る状態を作ることが重要です。

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