開発会社の選び方:良い会社を見分ける質問項目の作り方

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なぜ「質問項目」で開発会社の実力が見えるのか

開発会社を比較するとき、多くの人が「実績」「価格」「提案資料の見栄え」で判断しがちです。しかし、同じ実績数でも、あなたの会社に合うとは限りません。なぜなら、システム開発は相性(進め方・意思決定・説明の粒度)が成果を大きく左右するからです。

そこで有効なのが「質問項目」を先に設計し、面談や提案依頼(RFPの簡易版でも可)で同じ質問をぶつけて反応を見る方法です。質問項目は、単に答えを集めるためではなく、次の3つを観察するための道具になります。

  • 曖昧な要求を整理する力:要件が固まっていない状態でも、論点を立てて整理できるか
  • リスクを先に言える誠実さ:難しい点・前提条件・トレードオフを正直に提示できるか
  • 運用までの想像力:作って終わりではなく、使われ続ける設計・運用を語れるか

特に、開発に詳しくない中小企業や、予算はあるが専門人材が薄い情シスの方ほど、質問項目が「判断基準の軸」になります。逆に、質問項目が弱いと、営業がうまい会社・資料がきれいな会社に流されやすく、納品後に「思っていたのと違う」「追加費用が止まらない」「保守が回らない」に繋がります。

この記事では、開発会社の選び方として、良い会社を見分ける質問項目の作り方を、現場でそのまま使える形に落とし込みます。質問テンプレだけでなく、回答の見方(良いサイン/危ないサイン)や、RFPがなくても進められる手順まで網羅します。

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開発会社選定の前に整理すべき前提(ここが曖昧だと失敗しやすい)

質問項目を作る前に、社内の前提を最低限そろえます。完璧である必要はありませんが、ここが曖昧だと、開発会社側も正しい提案ができず、見積もりがブレて比較になりません。ポイントは「仕様」ではなく、意思決定に必要な情報を揃えることです。

目的・成功条件(KGI/KPI)を日本語で言えるか

たとえば「業務効率化したい」では弱く、「見積作成にかかる時間を月40時間削減」「問い合わせ対応の一次回答を自動化して平均対応時間を半分に」など、何ができれば成功かを決めます。数字が難しい場合は「誰の、どの作業が、どう楽になるか」でも構いません。

対象範囲と“やらないこと”を決める

新規開発でも改修でも、範囲が膨らむと追加費用と納期遅延が起きます。最初に「対象業務」「対象ユーザー」「対象チャネル(Web/アプリ/社内)」を決め、同時に「今回はやらないこと(例:請求は次フェーズ)」を言語化します。ここを明確にすると、開発会社の提案力が見えやすくなります。

制約条件(納期・予算・セキュリティ・既存システム)

情シスの場合は特に、SSO、IP制限、端末管理、データ持ち出し、クラウド利用可否、監査要件などが制約になります。中小企業でも、会計ソフトや在庫システム、Excel台帳など「既存の現実」があります。制約は早めに開示した方が、手戻りが減って総額が下がることが多いです。

社内の体制(誰が決め、誰が使い、誰が面倒を見るか)

開発会社選びで見落とされがちなのが、社内の窓口負荷です。決裁者、業務担当、情シス、運用担当(ヘルプデスク含む)が誰か、週にどれくらい時間が取れるか。ここが不明だと、開発会社は「要件が固まらない」「レビューが返らない」前提でバッファを積み、見積が高くなりがちです。

良い開発会社を見分ける質問項目テンプレ(そのまま使える)

ここからが本題です。開発会社の選び方として、面談・相見積・コンペで共通して使える「質問項目」を、目的別にまとめます。すべてを聞く必要はありません。自社の状況(新規/改修、Web/アプリ、AI活用の有無、セキュリティ要件)に合わせて選び、同じ質問を複数社に投げるのがコツです。

課題理解・要件整理(上流の強さを見る)

  • 私たちの目的をどう理解しましたか?「一言で」言い換えると何ですか?
  • 要件が曖昧な部分はどこで、追加で何を確認すべきですか?
  • この案件で失敗しやすいポイントは何で、どう予防しますか?
  • 業務フローのどこから整理し、どの成果物(図・仕様・プロトタイプ)を出しますか?

良いサイン:前提の置き方が明確で、確認すべき論点が具体的。業務の現実(例外処理・手作業・属人化)に踏み込んで質問してくる。
危ないサイン:「全部できます」「お任せください」だけで、確認事項が出ない。課題の復唱が抽象的。

提案の妥当性(なぜそれが最適かを問う)

  • 提案の選択肢を2〜3案出すとしたら?それぞれのメリット・デメリットは?
  • その技術(フレームワーク/クラウド)を選ぶ理由は?代替案は?
  • 将来の拡張(拠点追加、ユーザー増、機能追加)にどう備えますか?
  • 既存システムとの連携がある場合、どこがリスクでどう検証しますか?

良いサイン:トレードオフ(費用・納期・品質・運用負荷)を言語化し、意思決定を助ける。
危ないサイン:特定技術の押し売り、または根拠が「いつもこれだから」。

見積・スコープ(比較可能な見積にする)

  • 見積の前提条件(対象範囲、除外範囲、想定ユーザー数、データ件数)を明記できますか?
  • 機能一覧を粒度をそろえて提示できますか?(例:登録/検索/権限/通知/監査ログ)
  • 追加費用が発生しやすいパターンと、その防止策は?
  • 「準委任」「請負」のどちらが適し、理由は?

良いサイン:前提が明文化され、スコープ境界がはっきり。変更管理の話が先に出る。
危ないサイン:一式見積のみで内訳がない。安いが前提が書かれていない。

プロジェクト管理(炎上を防ぐ運び方)

  • 体制(PM/PL/エンジニア/デザイナー)の役割分担と、窓口は誰ですか?
  • 進捗共有は週何回、何をもって「完了」としますか?(受入条件)
  • 課題管理・仕様管理の方法は?ツールは何を使いますか?
  • 品質保証(テスト方針、レビュー、CI)の進め方は?

良いサイン:会議体・成果物・合意の取り方が具体的で、未経験者にも説明できる。
危ないサイン:「アジャイルです」で終わる。ドキュメントや受入の定義が曖昧。

運用・保守(納品後に困らないか)

  • リリース後の保守は何を含みますか?(障害対応、軽微改修、監視、問い合わせ)
  • 引き継ぎ・ドキュメントはどこまで出しますか?
  • 担当者が変わっても回る仕組み(運用手順、権限管理、ログ)は?
  • 費用体系(定額/従量/チケット制)と、向いているケースは?

良いサイン:運用の現場(誰が何時に見るか、どこまで自動化するか)を前提に話す。
危ないサイン:開発の話だけで、保守は「別途」以外が出てこない。

セキュリティ・コンプライアンス(情シスが押さえる)

  • データの取り扱い(暗号化、アクセス制御、ログ、バックアップ)方針は?
  • 脆弱性対応(依存ライブラリ更新、診断、緊急パッチ)の運用は?
  • 開発環境・本番環境の分離、権限管理、秘密情報の管理は?
  • 委託先管理(再委託の有無、オフショアの有無、契約・NDA)は?

良いサイン:具体的な運用手順と、できる/できないの線引きが明確。
危ないサイン:「大丈夫です」だけで証跡や手順が出ない。

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回答を点数化するコツ:比較表の作り方(主観を減らす)

質問項目を用意しても、最後に「なんとなく印象が良かった」で決めると危険です。そこで、回答を比較表に落として点数化します。重要なのは、技術力を評価しようとしすぎないこと。専門知識がなくても評価できる軸に寄せると、判断の再現性が上がります。

おすすめの評価軸(5段階×重み付け)

  • 理解力:課題を言い換え、論点整理ができたか
  • 説明力:専門用語を噛み砕き、意思決定に必要な情報を出せたか
  • 誠実さ:リスク・前提・できないことを先に言えたか
  • 運び方:進め方、会議体、成果物、変更管理が具体的か
  • 運用視点:保守・監視・引き継ぎまで描けているか
  • 見積の透明性:内訳、前提、スコープ境界が明確か
  • セキュリティ適合:要件に対して現実的な対策が提示されたか

たとえば情シス主導の案件なら「セキュリティ適合」「運び方」を重くし、事業部主導なら「理解力」「運用視点」を重くする、といった調整が可能です。重み付けを先に決めると、会議が感想戦になりにくいのもメリットです。

比較表に入れるべき“記録”

点数だけだと後で揉めるので、各社の発言を短く記録します。おすすめは次の3点です。

  • 前提条件として相手が置いた仮説(例:利用者は社内50名、権限は3階層)
  • リスク指摘(例:既存DBがブラックボックス、先に調査が必要)
  • 具体策(例:2週間で業務ヒアリング→画面プロトタイプ→要件確定)

これにより、「安かったけど前提が違った」「運用が抜けていた」といった後出しの問題を防げます。

失敗しやすいパターンと、質問項目での回避法

ここでは、開発会社選びでよくある失敗を、質問項目でどう防ぐかを具体化します。失敗は「悪い会社に当たった」だけでなく、発注側の情報不足や進め方の設計ミスでも起こります。つまり、質問項目は相手を試すだけでなく、こちらの発注設計を強くする道具でもあります。

失敗例:見積が安い会社に決めたら、追加費用が膨らんだ

原因は、スコープ境界(どこまでが含まれるか)が曖昧だったことです。回避するには、「追加費用が発生する条件」「変更の承認フロー」「除外項目」を必ず質問します。見積書に「前提条件」と「除外」を書けない会社は、後から揉めやすい傾向があります。

  • 質問例:追加が出た場合、見積と合意はどのタイミングで行いますか?
  • 質問例:今回の見積に入っていない作業は何ですか?(運用設計、マニュアル、データ移行など)

失敗例:要望通りに作ったのに、現場で使われない

原因は、業務理解不足、またはUI/UXの検証不足です。「現場の声は聞いていますか?」だけでは不十分で、検証方法まで聞く必要があります。使われるシステムは、早い段階で画面を触って“違和感”を潰していることが多いです。

  • 質問例:プロトタイプはいつ、誰に、何を検証するために見せますか?
  • 質問例:業務の例外処理(イレギュラー)をどう洗い出しますか?

失敗例:担当が変わった途端、保守が回らない

原因は、属人的な運用とドキュメント不足です。「ドキュメント出ますか?」だけだと、薄い資料が出て終わることがあります。運用で必要なのは、環境情報、設定値、手順、障害時の切り分け、権限管理、ログの見方です。

  • 質問例:引き継ぎ資料の目次案を出せますか?(どのレベルまで書くか)
  • 質問例:障害が起きたとき、一次対応で誰が何を見ますか?

失敗例:契約形態が合っておらず、揉めた(請負/準委任)

「請負=安心」ではありません。仕様が固まっていないのに請負で固定すると、変更がすべて追加扱いになりやすい一方、準委任はゴールが曖昧だと延々と続きます。回避するには、契約形態を質問しつつ、「成果物」「受入条件」「スプリントごとの合意」を確認します。

  • 質問例:準委任でやる場合、毎月何を成果として合意しますか?
  • 質問例:請負でやる場合、受入条件と不具合の定義はどうしますか?

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実務で使える進め方:RFPがなくてもできる開発会社選定プロセス

「RFPを作る時間がない」「何を書けばいいか分からない」という状況でも、質問項目さえ整っていれば、開発会社選びは前に進められます。ここでは、最小限の資料で比較可能な提案を引き出す手順を紹介します。

最小セットの依頼資料(A4で2〜3枚でもOK)

  • 背景・目的:なぜ今やるのか、何が困っているのか
  • 対象ユーザー:社内/社外、人数、権限のイメージ
  • 現状フロー:文章でも図でも。Excel運用でも正直に書く
  • やりたいこと:Must/Wantに分ける(必須/できたら)
  • 制約:納期、予算感、セキュリティ、連携先

この最小セットに、前章の質問項目を添えて「この質問に回答してください」と依頼すると、提案の比較がしやすくなります。

面談(60〜90分)で必ず見るべき観察ポイント

  • こちらの話を遮らず、論点を整理してメモを構造化できるか
  • 不明点を「確認事項」として言語化し、宿題として持ち帰れるか
  • できないことを言い、代替案を提示できるか
  • 専門用語を多用せず、判断材料(費用/納期/リスク)に翻訳できるか

開発会社の選び方で重要なのは、面談で「気持ちよく話せたか」より、不確実性を減らすための質問が出てきたかです。優秀な会社ほど、すぐに結論を出さず、前提確認を丁寧に行います。

最終決定前の確認(契約・体制・成果物)

最後は感覚ではなく、「約束の形」を確認します。

  • 契約書に、成果物・納期・検収・瑕疵対応・秘密保持・再委託条件が書かれるか
  • 体制表に、担当者名(または役割)と稼働割合が書かれるか
  • 成果物一覧(要件定義書、設計書、テスト仕様、運用手順)の範囲が合意できるか

ここが曖昧なまま着手すると、後から「それは範囲外」「聞いていない」が起きます。逆に、ここまで合意できれば、開発会社が変わってもプロジェクトの骨格が残り、リスクが下がります。

株式会社ソフィエイトのサービス内容

  • システム開発(System Development):スマートフォンアプリ・Webシステム・AIソリューションの受託開発と運用対応
  • コンサルティング(Consulting):業務・ITコンサルからプロンプト設計、導入フロー構築を伴走支援
  • UI/UX・デザイン:アプリ・Webのユーザー体験設計、UI改善により操作性・業務効率を向上
  • 大学発ベンチャーの強み:筑波大学との共同研究実績やAI活用による業務改善プロジェクトに強い

まとめ

開発会社の選び方で失敗を減らす近道は、「良い開発会社の特徴」を暗記することではなく、同じ条件で比較できる質問項目を先に作ることです。質問項目は、相手の実力だけでなく、こちらの目的・範囲・制約・体制を明確にし、見積と提案を比較可能にします。

  • 質問項目は、課題理解・提案妥当性・見積透明性・進行管理・運用保守・セキュリティに分ける
  • 回答は点数化し、発言の根拠(前提・リスク・具体策)を記録して主観を減らす
  • RFPがなくても、A4数枚+質問項目で十分に比較できる

もし「どの質問を優先すべきか分からない」「要件が曖昧で、どこから整理すればいいか不安」という場合は、要件整理から見積比較、運用設計まで一貫して伴走できるパートナーを選ぶのが安全です。目的と制約に合わせて、最短距離の進め方を一緒に設計していきましょう。

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