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Next.js開発費の相場感:まず「何を作るか」で決まる
Next.jsの開発費は、「Next.jsという技術を使うから高い/安い」ではなく、作るものの規模・要件の複雑さ・運用体制で大きく変わります。検索で見かける相場だけで判断すると、後から追加費用が膨らむ原因になります。
目安として、よくあるWeb開発の費用帯を整理すると次のイメージです(開発会社・体制・既存資産の有無で上下します)。
- 小規模(LP+簡易フォーム、静的ページ中心): 80万〜250万円
- 中規模(CMS、会員機能の一部、検索・一覧、管理画面): 250万〜900万円
- 大規模(会員基盤、権限管理、外部連携、複数ロール、監査ログ等): 900万〜3000万円以上
Next.jsはReactベースで、表示速度やSEOに強いサイトや、管理画面を含むWebアプリにも使われます。一方で、導入形態(静的配信、サーバーサイドレンダリング、API連携、認証基盤など)によって構成が変わり、見積もりの内訳も変わります。
特に情シスや発注担当者が押さえるべきなのは、「画面数」より「状態の分岐(ログイン時/未ログイン時、権限別、承認フロー等)」がコストを決めるという点です。画面が10枚でも、入力・検索・承認・通知が絡むと一気に工数が増えます。
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見積もりの内訳:どこにお金がかかるのか(項目別の読み方)
Next.js開発の見積書は会社ごとに形式が違いますが、基本は「人月(人×月)」または「機能別の工数」の積み上げです。ここでは、非エンジニアでも判断しやすい代表的な内訳を説明します。
要件定義・仕様策定
要件定義は「何を作るかを決める工程」で、ここが弱いと後工程で仕様変更が増え、結果的に高くつきます。見積もりの最初に要件定義が明示されているか、成果物(要件一覧、画面遷移、ER図、非機能要件)が含まれるかがポイントです。
UI/UX設計・デザイン
「既存デザインを流用」か「新規デザイン」かで差が出ます。デザイン費が安い場合は、テンプレ寄りで調整が少ない可能性があります。逆に高い場合は、ユーザーテストや導線設計が含まれているか確認しましょう。“デザイン”と“UI実装(フロント開発)”は別費用になりやすい点も注意です。
フロントエンド(Next.js)実装
Next.js側の実装は、ページ表示、コンポーネント化、フォーム、バリデーション、状態管理、SEO設定、計測タグ対応などが含まれます。特にSEO要件(構造化データ、OGP、メタ、canonical、サイトマップ、robots、リダイレクト)は、曖昧だと“後から追加”になりやすいため見積もりに明記させるのが安全です。
バックエンド・API・データベース
「Next.jsだけで完結」するケースは少なく、会員・予約・決済・在庫・問い合わせ管理などがあるとAPIやDBが必要になります。ここが別システム(既存の基幹やSaaS)と連携する場合、仕様確認・テストに時間がかかります。外部連携は“作る”より“合わせる”工数が高いことが多いです。
インフラ・環境構築(Vercel/AWS等)
本番環境、ステージング環境、CI/CD、ドメイン・証明書、WAF、監視、バックアップなどです。費用が一式になっている場合は、月額運用費(クラウド料金+保守)まで含まれるのか、初期構築だけなのかを分けて確認しましょう。
テスト・品質保証
単体テスト、結合テスト、受入テスト支援、負荷試験、セキュリティ観点のチェックなど。見積もりが安い案件でよくあるのが「テストが薄い」ことです。“リリース後の障害対応コスト”は見積もりに出にくいため、テスト工程が適切に計上されているかは重要です。
プロジェクト管理(PM/ディレクション)
議事録、進行、課題管理、リスク管理、関係者調整が含まれます。ここが極端に低い場合、担当者が兼務で回らず、納期遅延やコミュニケーション不全が起きやすいです。情シス側の工数も増えます。
価格が上がる要因:見積もり前に潰せる「地雷」チェック
Next.js開発の費用が跳ねる要因は、技術というより「要件の曖昧さ」「運用要件の見落とし」「ステークホルダーの増加」にあります。見積もりを取る前後で、次の観点をチェックすると追加費用を抑えやすくなります。
要件が“ふわっと”している(例:使いやすく、早く、SEO強く)
抽象的な要望は大事ですが、見積もりに落ちません。たとえばSEOなら、対象ページ種別(記事、商品、カテゴリ等)、更新頻度、構造化データ、リダイレクト方針、計測(GA4/広告)まで言語化が必要です。「目的→KPI→必要機能」に分解して提示すると、見積もりのブレが減ります。
会員・権限・承認フローが後から追加される
ログイン、パスワードリセット、メール認証、権限別表示、承認フロー、監査ログは、追加のたびに影響範囲が広い代表例です。最初に「将来入れる可能性」を伝えるだけでも設計が変わり、後で安く済むことがあります。
データ移行・既存CMS移行が軽視される
旧サイトのページが数百〜数千ある場合、移行設計(URL設計、リダイレクト、画像、PDF、メタ情報、パンくず、内部リンク)が必要です。移行ツールが使えるか、手作業かで費用が大きく変わります。移行対象の棚卸し(何が何件あるか)が最初のコスト削減です。
外部サービス連携(決済・MA・SFA・基幹)が増える
Salesforce、kintone、HubSpot、Stripe、会員基盤、在庫管理などとの連携は、API仕様確認、認証方式、レート制限、エラーハンドリング、運用監視まで必要です。「繋ぐだけ」では済みません。連携数が増えるほど、テスト工数も増えます。
非機能要件(速度・セキュリティ・可用性)の要求が強い
大企業の情シス案件で多いのが、WAF必須、IP制限、監査ログ、脆弱性診断、冗長構成、BCPなどです。これらは重要ですが費用に直結します。“必須”と“望ましい”を分けて合意しておくと、見積もり比較がしやすくなります。
関係者が多く意思決定が遅い
承認待ちが増えると、開発側の手が止まり、再調整の工数が増えます。発注側で、決裁者・確認者・相談先を整理し、会議体を固定すると全体コストが下がることがあります。
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見積もりの比較ポイント:安い会社が“得”とは限らない
複数社からNext.js開発の見積もりを取ると、金額差が大きくて困ることがあります。そのときは総額だけでなく、次の観点で比較すると「安物買いの高コスト化」を避けられます。
成果物が具体的に書かれているか
「一式」「対応」などの表現が多い見積もりは、後から解釈が割れやすいです。画面一覧、API一覧、管理機能、権限、入力項目、メール文面、ログ仕様など、何が納品物かが列挙されている見積もりほど安全です。
含まれる/含まれないが明記されているか
よく揉めるのは、コンテンツ作成、写真・原稿、計測タグ、リダイレクト、運用マニュアル、問い合わせ運用、障害対応の範囲です。“含まれない”が書いてある会社は不親切ではなく、むしろ誠実な場合が多いです。
Next.jsの実装方式(表示の仕組み)を説明できるか
同じNext.jsでも、静的配信中心か、サーバーで動的に生成するかで、インフラ費・運用・セキュリティの考え方が変わります。発注側が詳しくなくても、ベンダーが「今回の要件ならこの方式が適切で、理由はこれ」と説明できるかが重要です。
保守運用の考え方(リリース後)がセットになっているか
Webは公開して終わりではありません。軽微改修、脆弱性対応、依存ライブラリ更新、障害調査、問い合わせ対応が発生します。見積もり時点で、月額保守の範囲・SLA・対応時間が提示されると比較しやすくなります。
体制の透明性:誰がやるか
PM、デザイナー、フロント、バックエンド、インフラが誰か(専任か兼務か)で品質が変わります。提案書に担当ロールと稼働が書かれているか、過去実績があるかを確認しましょう。
費用を抑えつつ失敗しない進め方:発注側がやるべき準備
予算がある企業でも、無駄に高い見積もりを掴むケースはあります。反対に、発注側が少し準備するだけで、見積もりが下がり、納期も短くなることがあります。
目的・優先順位を1枚にまとめる
おすすめは「目的(例:問い合わせを増やす/採用応募を増やす/既存顧客の手続きをオンライン化)」「KPI」「対象ユーザー」「必須機能/後回し機能」をA4 1枚にまとめることです。優先順位があると、段階リリース(MVP)がしやすく、初期費用を抑えられます。
現状の資産を棚卸しする(URL・コンテンツ・連携)
既存サイトのページ数、ブログ記事、PDF、フォーム、計測タグ、ドメイン運用、サーバー契約、DNS管理者、SSL更新手順などを整理します。移行や権限周りで詰まると工数が跳ねるため、ここは早めが得です。
RFP(依頼書)に最低限書くべき項目
- 作りたいものの範囲(サイト/Webアプリ/管理画面の有無)
- ページ種別と概算ページ数(固定、一覧、詳細、検索、フォーム等)
- 会員・権限・承認の有無(現時点と将来)
- 外部連携(使っているSaaS/基幹、連携方向、必須項目)
- 非機能(速度、セキュリティ、ログ、運用、監査)
- 希望スケジュールと公開条件(段階公開の可否)
ここまで書けると、各社の提案が揃い、比較が容易になります。
見積もり交渉のコツ:削るより“分ける”
単純な値引き交渉より、「初期に必要な範囲」と「後で増やす範囲」を分ける方が、品質を落とさずに予算内に収めやすいです。例えば、管理画面の高度な分析や通知機能は第2フェーズ、SEOの構造化データは主要ページのみ先行など、段階設計が可能です。コストダウンは“機能削減”ではなく“段階化”が王道です。
受入テストを発注側で準備する
発注側が「合格条件(受入基準)」を用意すると、手戻りが減ります。例として、フォーム送信のパターン、検索条件、権限別に見えるメニュー、管理画面の更新手順などを箇条書きで整理しておくと、納品がスムーズです。
株式会社ソフィエイトのサービス内容
- システム開発(System Development):スマートフォンアプリ・Webシステム・AIソリューションの受託開発と運用対応
- コンサルティング(Consulting):業務・ITコンサルからプロンプト設計、導入フロー構築を伴走支援
- UI/UX・デザイン:アプリ・Webのユーザー体験設計、UI改善により操作性・業務効率を向上
- 大学発ベンチャーの強み:筑波大学との共同研究実績やAI活用による業務改善プロジェクトに強い
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まとめ
Next.js開発費は、技術名だけで決まるものではなく、要件の具体度・連携の有無・非機能要件・運用体制で大きく変動します。相場を把握した上で、見積もりの内訳(要件定義、デザイン、Next.js実装、API/DB、インフラ、テスト、PM)を読み解くことが、適正価格の判断につながります。
価格が上がる典型要因は、要件の曖昧さ、会員/権限/承認の後付け、移行の見落とし、外部連携の増加、厳しいセキュリティ要求です。発注側で目的と優先順位を整理し、資産棚卸しと最低限のRFPを用意するだけで、提案の精度が上がり、結果としてコストと納期の両方を安定させられます。
もし「自社の場合の相場感を知りたい」「見積もりの妥当性を第三者視点で確認したい」「段階リリースで予算内に収めたい」といったご相談があれば、要件整理から一緒に進めることも可能です。
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