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ノーコードとは?営業でもわかる一言説明
ノーコードとは、プログラミング言語(コード)を書かずに、業務アプリやWebフォーム、簡易なシステムを作れる開発手法のことです。営業の現場に置き換えると、「提案書を一からWordで作る」のではなく「既存テンプレに必要事項を埋めて素早く作る」ようなイメージに近いでしょう。もちろん自由度は下がりますが、作る速さと手軽さが大きく上がります。
中小企業でノーコードが注目される背景は明確です。IT人材の採用は難しく、外注すると費用と調整コストが増え、結果として「やりたい改善」が後回しになりがちです。その点ノーコードは、現場の業務担当者がツールを触りながら形にできるため、小さく作って早く試すのに向きます。
ただし、ノーコードは「何でも作れる魔法」ではありません。得意なのは、次のような“業務の型”がある領域です。
- 問い合わせフォーム、資料請求、見積依頼などの受付
- 顧客情報・案件情報の入力、一覧、検索、簡易な集計
- 承認フロー、タスク管理、日報などの社内業務
- 既存SaaS(Google Workspace、Slack、kintone等)との連携
逆に、秒間何万件もアクセスが来る大規模サービスや、複雑な独自ロジックが多い基幹システムは、最初からフルスクラッチ(通常開発)や、ノーコードとコードの併用(ローコード/拡張開発)を検討するのが現実的です。営業として押さえたいのは、ノーコードは「スピードを買う選択肢」であり、適用範囲の見極めが価値だという点です。
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ノーコードが合う仕事・合わない仕事(判断軸)
経営者や営業マネージャーが知りたいのは「結局、うちの業務で使えるのか?」です。ここでは判断をブレさせないための軸を整理します。結論から言うと、ノーコードは“業務が整理されている領域”ほど効果が出やすい一方、例外処理が多いほど難易度が上がります。
合うケース:定型業務・情報の流れが明確
たとえば営業部門なら、リード獲得→初回接触→商談→見積→受注→請求、という流れ自体は多くの会社で似ています。ここに「入力項目」「ステータス」「担当者」「期限」などを定義し、ノーコードで案件管理を作ると、Excel管理よりも見える化が進み、属人化が減ります。“誰が見ても同じ判断ができる状態”を作りやすいのが利点です。
合わないケース:複雑な権限、特殊な計算、外部依存が多い
たとえば、商品マスタが複雑で割引ルールが頻繁に変わる、在庫・物流・会計が絡む、法規制対応が重い、といった領域はノーコード単体では苦しくなりがちです。もちろん、ノーコードで画面や入力を作り、裏側はAPIで既存システムと連携する形なら成立することもありますが、「ノーコード=完全に非エンジニアで完結」ではない点は理解しておく必要があります。
判断のためのチェックリスト
- 入力・承認・集計など、業務フローが文章で説明できるか
- 例外処理が「週に数回」ではなく「毎日のように」発生していないか
- 扱うデータ量は現実的か(数十万〜数百万件規模は要注意)
- 外部システムとの連携は少数か、仕様が安定しているか
- セキュリティ要件(権限、監査ログ、IP制限等)が厳しすぎないか
このチェックで「合わない」が多い場合は、ノーコードを避けるのではなく、ノーコード+通常開発のハイブリッドや、まず業務整理(BPR)を優先すると失敗しにくくなります。
ノーコードとローコード、通常開発の違い(営業トークに使える比較)
現場では「ノーコードとローコードって何が違うの?」と聞かれます。説明が曖昧だと提案の信頼性が落ちるため、営業でも使える言い方にまとめます。ポイントは“コードを書ける余地”と“自由度・責任範囲”です。
- ノーコード:基本は画面操作(ドラッグ&ドロップや設定)で作る。短期で形にしやすいが、ツールの制約も受ける。
- ローコード:設定中心だが必要に応じてコードで拡張できる。自由度は上がるが、設計・品質管理も必要。
- 通常開発(フルスクラッチ):要件に合わせて自由に作れる。最も柔軟だが、時間・費用・運用設計が重くなる。
営業としての切り口は「見積の内訳」ではなく、「成果が出るまでの距離」で語るのが効果的です。たとえば、次のように説明できます。
提案時の言い換え例:ノーコードは“最短で検証する手段”、ローコードは“伸びしろを確保する手段”、通常開発は“事業の根幹を作り込む手段”。
また意思決定者に刺さるのはTCO(総コスト)です。ノーコードは初期費用が抑えられやすい反面、ツール利用料が継続し、作り方次第では運用が属人化して後で高くつくことがあります。逆に通常開発は初期は高めでも、運用が安定し長期的に最適化できる場合もあります。「安いからノーコード」ではなく、期間・要件・運用体制で選ぶのが正解です。
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ノーコード導入で得られる効果(売上・生産性・顧客体験)
ノーコードの価値は「作れる」こと自体ではなく、事業成果につながる改善を速く回せる点にあります。特に中小企業では、改善テーマが眠っていても“着手できない”ことが最大の損失になりがちです。ここでは成果の出方を、営業・経営の視点で整理します。
営業生産性:入力の二度手間を減らし、追客漏れを防ぐ
よくあるのが、Webフォーム→メール通知→Excel転記→担当割り振り、という流れです。ノーコードでフォームと案件管理をつなげれば、登録と同時に担当者アサイン、期限設定、Slack通知まで自動化できます。「担当者の頑張り」に依存していた追客を仕組みにできます。
顧客体験:返信のスピードと一貫性が上がる
問い合わせ対応はスピードが命です。ノーコードで受付→自動返信→担当通知→テンプレ回答の準備まで整えると、初動が速くなり、機会損失が減ります。特に「資料請求後の初回接触が遅い」会社は、ここだけで受注率が変わることがあります。
意思決定:現場データが集まり、打ち手が見える
案件の滞留箇所、失注理由、商品別の利益などは、データが揃わないと議論が感覚になります。ノーコードで入力項目を標準化し、集計を自動化すると、会議の質が上がります。“根性会議”が“改善会議”に変わるのは大きな効果です。
注意点として、効果を出すには「何をKPIにするか」を先に決める必要があります。たとえば、返信までの時間、商談化率、リードから受注までの日数などです。ツール導入が目的化すると、入力負荷だけ増えて現場が疲弊します。ノーコードは改善の手段であって、導入がゴールではありません。
失敗しない進め方(要件整理→ツール選定→運用設計)
ノーコード導入の失敗パターンは似ています。「とりあえず作ってみたが、誰も使わない」「担当者しか直せない」「既存業務と二重管理」などです。これを避けるには、作る前の整理と、作った後の運用設計が重要です。
要件整理:業務フローを“言葉”にしてから画面を作る
最初にやるべきは、現状業務の棚卸しです。おすすめは、A4一枚に「入力→承認→完了」の流れを書き、各工程の担当、使用ツール、困りごとを並べることです。ここで「例外処理」を先に洗い出すと、後から作り直すコストが減ります。
ツール選定:機能よりも“運用できるか”で選ぶ
ノーコードツールは多種多様です。データベース型、フォーム特化、ワークフロー特化、Webサイト構築型などがあります。選ぶ際は、次の観点が現実的です。
- 社内のITリテラシーで運用できる管理画面か
- 権限管理(閲覧・編集・承認)が業務に合うか
- 既存SaaSとの連携が標準機能で足りるか
- 料金がユーザー数やデータ量で急増しないか
- ベンダーの継続性(国内サポート、情報量、事例)
機能比較表は作れますが、実際の差は「日々の運用で詰まるかどうか」です。まず小さな業務で試し、社内の“型”を作るのが近道です。
運用設計:入力ルールと変更ルールを決める
ノーコードは変更しやすい反面、変更が増えすぎると混乱します。最低限決めたいのは、(1)入力の定義(必須項目、表記ゆれの禁止)、(2)マスタ管理者、(3)変更申請の窓口、(4)月1回の改善会議、です。「誰でも直せる」は「誰が責任を持つか不明」にもなるため、責任範囲を明確にします。
もう一つ重要なのが、データの出口です。最終的に何を見て意思決定するのか(ダッシュボード、スプレッドシート、会計連携など)を先に決めると、入力項目が自然に定まります。
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よくある質問(経営者・営業マネージャー向け)
ノーコードで作ったものは将来、捨てることになりませんか?
必ずしも捨てるわけではありません。ノーコードは検証に強く、うまくいった部分はそのまま運用し、拡張が必要になったらローコード化や通常開発へ移行する、という段階的な進め方が現実的です。重要なのは、最初から“移行も想定した設計”にしておくことです。データのエクスポート可否やAPI連携可否は、初期に確認しておきましょう。
セキュリティは大丈夫ですか?
ツール次第です。多くのノーコードツールは一定のセキュリティ対策を持ちますが、自社の運用(権限設定、退職者アカウントの停止、共有設定)で穴が開くことも多いです。“ツールの性能”より“運用のルール”が事故を左右すると考えてください。機密情報を扱う場合は、監査ログ、権限の細かさ、データ保管場所なども確認が必要です。
結局いくらかかりますか?
費用は大きく「ツール利用料」と「設計・構築・運用の人件費」に分かれます。ノーコードは初期構築が速く、外注費も抑えられやすい一方、利用者が増えるほど月額が増えやすいモデルもあります。1年後・2年後の利用人数と運用負荷を前提に試算するのが、経営判断としては安全です。
現場が使ってくれないのが心配です
最初から全社展開を狙うより、営業やバックオフィスの一部業務で“小さく成功”を作るのが有効です。使われない原因は、入力が面倒・メリットが見えない・既存業務と二重、のどれかです。入力の手間を減らし、見返り(自動集計や通知)を用意すると定着しやすくなります。
まとめ
ノーコードは、プログラミングなしで業務アプリや簡易システムを作れる手法で、「早く作って早く試す」ことに強みがあります。営業・経営の観点では、(1)追客漏れや二重入力の削減、(2)問い合わせ対応の初動改善、(3)データが集まることで意思決定が速くなる、といった形で効果が出やすいのが特徴です。
一方で、複雑な例外処理や厳しい権限要件、大規模なデータ処理などはノーコード単体では難しく、ローコードや通常開発との併用が現実的な場合もあります。成功の鍵は、ツール選び以上に、要件整理と運用設計(入力ルール・変更ルール・責任者)です。“導入すること”ではなく“成果が出る運用”まで設計することで、ノーコードは中小企業の強力な武器になります。
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